現役医師が語る〇〇に不眠症改善効果あり

総合病院に勤務する現役医師に語っていただきます。不眠は多くの人が悩む国民病であり、日本人を対象にした調査でも5人に1人という割合で何かしらの睡眠への問題を抱えているということが分かっています。
1) 記事下 参考文献

また昨今のwithコロナ時代において、生活の変化やストレスにより不眠で悩む人の増加も予想されます。私も過去に不眠症になったことがあり、不眠の辛さやいかに生活の質を損なうか身をもって経験しました。

そこで今回はこのコロナ禍でも安心して眠れるように、不眠症についての基礎知識と対処方法をご紹介致します。

目次

  1. そもそも不眠症とは
  2. 不眠の種類
  3. 不眠の原因と対策
  4. 夜勤によって不眠に悩んだ体験談
  5. フルーツに快眠効果があり?不眠症を改善する食事とは?

そもそも不眠症とは

不眠症は睡眠が十分に取れないことが続き、日中に疲労感ややる気の低下、集中力の低下、食欲不振などの不調が出てしまう状態のことをいいます。

 

不眠症の原因は、ストレスや心身の不調、薬の副作用など様々なものがあります。不眠症は小児期や青年期にはまれですが、20~30代から始まり年齢とともに増加し、中年・老年期になると急激に増加します。

 

不眠症が長く続くと緊張や睡眠へのこだわりが生じ、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ることもあります。特に最近ではコロナの影響もあり、敏感にもなりやすいご時世ですから注意が必要ですね。

不眠の種類

不眠症は睡眠が十分に取れないことが続き、日中に疲労感ややる気の低下、集中力の低下、食欲不振などの不調が出てしまう状態のことをいいます。

 

不眠症の原因は、ストレスや心身の不調、薬の副作用など様々なものがあります。不眠症は小児期や青年期にはまれですが、20~30代から始まり年齢とともに増加し、中年・老年期になると急激に増加します。

 

不眠症が長く続くと緊張や睡眠へのこだわりが生じ、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ることもあります。特に最近ではコロナの影響もあり、敏感にもなりやすいご時世ですから注意が必要ですね。

 

不眠症と一言で言ってもその悩みには「夜なかなか寝付けない」、「寝ているのに疲れが取れない」、「夜中に何度も目が覚める」など様々です。これらは以下のように分類することが出来ます。

 

・入眠障害:寝つきが悪くベッドに横になっても、なかなか眠りにつけない。

・中途覚醒:一度眠りにつくが、翌朝の起床時間までに何度も目が覚めてしまう。

・早朝覚醒:希望の起床時間より、大幅に前に目が覚めてしまう。

・熟眠障害:睡眠時間は取れているが、眠りが浅くぐっすり眠ったという満足感を得られない。

 

これらのどれか1つだけ出るのではなく、同時に複数出現することも多いです。

 

中にはショートスリーパーと呼ばれる、3時間ほどの睡眠時間でも体調に問題のない方がいるように、睡眠時間には個人差があります。また、健康的な方でも一般的に年齢を経てくると睡眠時間は短くなってきます。

 

したがって、睡眠時間や目覚める回数にこだわりすぎる必要はありません。不眠症によって、日中の活動に悪影響を及ぼしているかどうかというところが大事なのです。

 

不眠の原因と対策

不眠症にはそれぞれ原因があり、それによって対処方法も異なります。不眠症の主な原因は以下の通りです。

 

・身体的要因:高血圧、心不全、腎不全、脳梗塞など様々な病気によるものがあります。また、睡眠時無呼吸症候群や、ムズムズ脚症候群などの睡眠時特有の病気もあります。

・精神的要因:不安や悩み、極度の緊張などで不眠につながります。睡眠に対する強いこだわりなども挙げられます。不眠の背景にうつ病などの精神疾患が隠れていたり、不眠症が原因でうつ病につながったりすることもあるので、注意が必要です。

・薬や刺激物による影響:アルコールやタバコ、コーヒーに入っているカフェインなどは睡眠に悪影響です。また、降圧剤や甲状腺剤、抗がん剤の副作用によっても不眠になる可能性があります。

・生活環境やリズム:夜勤や時差などによる体内リズムの乱れが原因になります。騒音や室温、明るさなども睡眠に影響します。運動不足や日光に当たらない生活スタイルも不眠の原因です。

 

身体的要因で挙げたような、不眠症の背景に何かしらの基礎疾患がある場合には、まず先にそちらの治療をしましょう。治療によって、不眠症が改善することもあるので専門医への受診をおすすめします。

 

次にこれらの不眠の原因のうち、思い当たるものがあればなるべく取り除くように心がけてください。たとえばお酒やタバコ、夕方以降のコーヒーの飲み過ぎを控える、悩みがあれば身近な人に打ち明けて悩みを解消してみる、などです。

 

それでも不眠が改善しない場合にはお近くの内科や精神科、不眠症専門の医師への相談が必要です。ぜひお気軽に相談してみてください。

夜勤によって不眠に悩んだ体験談

私は社会人になってすぐに、不眠症に悩んでいた時期があります。医師の仕事で当直というものをご存知でしょうか?病院に泊まり込む当番のことで、日中に仕事をしてそのまま病院に泊まり、次の日も通常運転で仕事ということもざらです。

 

社会人になり慣れない業務の中、そんな日々を過ごしていた私は、いつしか睡眠が浅くなってしまっていました。疲れて自宅に帰り、そのまますぐに眠りにつくが全然疲れが取れません。仕事中にも眠気が襲ってくるようになり、常に頭がぼうっとしていたのを覚えています。

 

とある研究によると起床後12時間を過ぎたあたりからパフォーマンスが直線的に下がり、14.5時間を過ぎると酒気帯び運転レベルにまで落ちるようです。2)記事下 参考文献

 

寝ずに仕事するというのは、お酒を飲みながら仕事をするのと同じということですね。この私の不眠は生活環境とリズムの変化が原因の熟眠障害タイプの不眠症でした。しかしながら仕事の関係上、夜勤帯の仕事を完全にしないというわけにはいきません。

 

そこで私は他の面で睡眠の質を上げるように心がけました。コーヒーやカフェインの入った飲み物を夕方以降に飲むのをやめました。またお酒も控えてジムへ通い、定期的な運動を取り入れました。その結果、徐々に体も慣れて、今では快適に眠ることが出来ています。

フルーツに快眠効果があり?不眠症を改善する食事とは?

不眠症の基礎知識や対処方法をお伝えしてきましたが、食べ物で不眠を改善することができたら嬉しいですよね。快適に眠るために食べた方が良いものというのはあるのでしょうか?そのヒントになりうる、おもしろい論文があるのでご紹介致します。3) 記事下 参考文献

 

2016年にAdvances in Nutritionという雑誌である論文が掲載されました。この論文では食事のパターンや特定の食品が睡眠の質や時間に、どのような変化を及ぼすのか調べられています。

 

とある研究でキウイフルーツと睡眠パターンとの関連性を調べました。20歳〜55歳の男女24人を対象に、毎晩就寝1時間前に2個のキウイフルーツを4週間摂取させたそうです。

 

睡眠日誌や睡眠活動をモニターして睡眠の質を計測したところ、キウイフルーツを摂取してから4週間後に睡眠効率や総睡眠時間が増加し、睡眠の質が向上していることがわかりました。

 

理由としてはキウイフルーツの持つ抗酸化作用やセロトニンが睡眠の質と関連しているのではないかと考えられています。

 

ちなみに睡眠日誌というのは、患者にその日の起床時間や就寝時間、睡眠時間を記録してもらう日誌で、不眠症の治療にも用いられているものです。

 

他の実験でチェリーと睡眠との関連性について調べたものもあります。アメリカのニューヨークで行われた研究で、慢性不眠症の高齢者15名を2つのグループに分けて比較しました。

 

片方のグループではタルトチェリージュースを与えて、もう片方にそれに代るジュースを与えて、2週間観察しました。この実験でも睡眠日誌で記録をしてもらったところ、タルトチェリージュースを飲んでいたグループでは睡眠の質が向上していることがわかりました。

 

しかしながら当然のことではありますが、不眠症の治療に用いられている薬や行動療法ほどの治療効果はなかったということなので、あくまでも参考に留めておいてくださいね。

 

今回ご紹介した他にも、乳製品や魚、野菜などでも睡眠の質を上げるというデータも出ています。このように並べるとやはり栄養価の高い健康的な食生活が、睡眠へも良い影響を及ぼすのかもしれません。

 

最近、あまり眠れないと悩んでいる方も、この機会に健康的な食事や運動などの生活スタイルに気をつけて過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

1)e-ヘルスネット 不眠症 (厚生労働省)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html

 

2)東洋経済 寝不足時の運転があまりにヤバイ科学的根拠

https://toyokeizai.net/articles/-/242506?page=3

 

3) Effects of Diet on Sleep Quality   Adv Nutr. 2016 Sep; 7(5): 938–949.

Published online 2016 Sep 7. doi: 10.3945/an.116.012336

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5015038/#b46

 

 

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この記事を書いた人

SLEEP BASE MAGAZINE 編集部

編集長の安田 信達です。「快眠器具」を開発研究しています。趣味は「運動」です。筋トレにはまっています。自分自身の体験も活かしながら「睡眠」と「運動」の関係を日々研究することに励んでいます。


副編集長の安田 明道です。眠りがいかに大切なものかをご理解頂くと共に、睡眠に悩む方々に”楽しい眠り”をご提供させていただきます。

SLEEPBASE MAGAZINEが、読者様の睡眠を豊かにすることにお役にたてたら幸いです。
編集部一同 https://sleepbase.jp

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